Text by 鈴木哲夫 all rights reserved
その1 サッカーは小学校で終わる訳ではない。 |
その2 ボールに対する技術の90%は小学校時代に習得される。 |
その3 調試合に勝つことは手段であり、目的ではない。 |
その4 子供は誉めて育てること。 |
その5 練習を楽しくするのはコーチの役目。 |
その6 コーチの4段階。 |
その7 「練習にあたっての基礎知識」 トレーニングの5原則。 |
その8 「練習にあたっての基礎知識」 サッカーの3B。 |
その9 「練習にあたっての基礎知識」 トラップ練習。 |
その10 「練習にあたっての基礎知識」 ドリブル練習。 |
その11 「練習にあたっての基礎知識」 ルックアップ練習。 |
その12 「練習にあたっての基礎知識」 1対1。 |
[少年サッカー]コーチの心得-その1 サッカーは小学校で終わる訳ではない。 |
あせらずに、ゆっくり育てましょう。
1年生は1年生に出来ることしかできないのですから、無理に上級生のサッカーをすることはありません。
同様に、小学校6年生は6年生のサッカーしかできないことを十分頭に入れておくべきです。
大事なのは中学校、高校になってもサッカーを続けてくれる子供を育てることであり、中学・高校になった時に彼らが困らない基礎技術をしっかり身につけさせることです。
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[少年サッカー]コーチの心得-その2 ボールに対する技術の90%は小学校時代に習得される。 |
スキャモンの成長曲線によると、10歳から12歳までで、人間の神経系の発達は(成人の)90%に達します。
(一般にこの年代を「ゴールデンエイジ」と呼んでいます)。
つまり、ボールコントロールやボールタッチ等の運動神経に絡む、身体的な技術の大部分がこの時期に生成されるのです。
ですから、この時期(4年から6年生まで)はとにかくボールコントロールを徹底して練習しましょう。
チーム戦術としてのパスワークや理論は中学、高校になってやれば良いのです。「今」、一番伸びる技術を「今」、取得させてあげましょう。
ちなみに、各年代で伸びが著しい部分は(個人差はありますが)おおよそ以下の通りです。
小学校時代・・・技術(運動神経、ボールコントロール)
中学校時代・・・体力(持久力)
高校時代 ・・・筋力(力強さ)
ですから、小学校時代に体力トレーニングをする位なら、その時間で技術練習をした方が、よっぽど効果的なのです。
必要最小限の体力トレーニングは必要ですが・・・
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[少年サッカー]コーチの心得-その3 試合に勝つことは手段であり、目的ではない。 |
私達のチームでは、公式戦においては「勝つこと」を目標にして試合に臨んでいます。
しかし、たとえ公式戦であっても、「試合に勝つこと」は子供達が成長してゆく上での一つの「手段」であり「過程」でしかないという事を忘れないで下さい。
「試合に勝つこと」は「目標」にはなりますが「目的」ではありません。
子供達には分からせなくても結構です。指導者たるコーチが、そういった「勝つことを目標とした試合」においても、それは単なる通過点であり、目的はもっと先にある(子供達を育てる!)のだ、という事を常に意識する必要があります。
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[少年サッカー]コーチの心得-その4 子供は誉めて育てること。 |
叱るだけでは子供は伸びません。悪い所を指摘して直すより、良い所を誉めて伸ばしましょう。
完璧な子供はいる訳がありません。短所を改善するより、長所を伸ばす。この姿勢で常に子供に接しましょう。
そうすれば、それが自信となり、不得手だったものも上手になるものです。(特に自分の子供に対して!!)
多少運動能力が劣っていても、何か一つ自信をつけさせることにより子供は変わります。
そして、例えばリフティングが3回しかできなかった子供が5回出来るようになったら、しっかり誉めてあげましょう。
たとえ、周りの子供達が既に10回以上できていたとしても。
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[少年サッカー]コーチの心得-その5 練習を楽しくするのはコーチの役目。 |
トラップやキックの基礎練習は子供達にとって普通つまらないものです。
そういった、反復練習(基礎練習)をいかに楽しく続けさせることができるかがコーチの「技術」です。
学んでいるのは子供達ばかりではありません。
常に回りのコーチ達の考えや発想を学びながら、自分で「楽しい練習」を考えられるコーチが優秀なコーチであると言えます。人まかせにせず、「自分の発想」でより楽しい練習を考えましょう。
一つの目安として、自分が考えた練習を子供達が休憩時間にもやりたがるようであれば、それは大成功なのです。
「もーやめよーよぉ」という声が出たり、座り込む子供が出たら、それは失敗です。あなたの考えた練習メニューはどうですか?もっともっと工夫しましょう!
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[少年サッカー]コーチの心得-その6 コーチの4段階。 |
お父さんコーチ。
自分の子供しか目に入らない。自分の子供に対しては注意が出来るが、他人の子供に対しては遠慮してしまう。
叱る時は自分の子供からで自分 の子供は絶対誉めない。試合中も自分の子供に対して大声で指示が出てしまう。基本的に自分の子供が好き。
学年コーチ。
割と冷静に自分の子供を見れるようになり、良いプレーをすれば自分の子供でも誉められるし、悪い事をすれば他人の子供でも叱れる。
特定の学年 (ブロック)の全体が見れるようになり、自分の子供が風邪で寝込んでいても、練習に参加して子供達を教えるコーチ。試合中自分の子供に対する声が抑えら れ、チームに対する指示が出来る。基本的に自分の子供が所属する学年チームが好きで、その他の学年チームにはあまり興味がない。
チームコーチ。
自分の子供がいる学年以外でも興味を持ち、いろいろな学年の試合や練習に、時間があれば参加するコーチ。
チーム全体の事を考えた上での行動や発言が出来る人。基本的に自分のチームであれば学年は関係なく一生懸命サポートする。
サッカーコーチ。
自分のチーム以外でもサッカーをする子供達が好きで他のチームの子供達がサッカーをしていても教えたくなってしまうようなコーチ。
世に言うサッカー馬鹿。基本的に、自分のチーム云々というよりサッカーが好きで、子供が好きな人。
第4段階はほとんど特殊な人に限られるのでしょうが、私達のチームのコーチは、少なくとも第2段階または第3段階にあって欲しいものです。
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[少年サッカー]コーチの心得-その7 「練習にあたっての基礎知識」 トレーニングの5原則。 |
トレーニングの5原則
意識性・・・必ずその練習の目的に対する意識を持たせること。
全面性・・・ある一部だけではなく、体全体を使うようにすること。
漸進性・・・簡単なものから徐々に難しいものへと練習を進化させること。
反復性・・・繰り返し練習しなければ成果がでないということ。
個別性・・・個人の能力差を理解すること。
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[少年サッカー]コーチの心得-その8 「練習にあたっての基礎知識」 サッカーの3B。 |
小学生時代では、自分の頭で次に何をしたら良い判断できることが目標。
トラップ、キック等のボール扱い。4年から6年生までの期間で集中的に取得するべき。
特に低学年では意識して練習に取り入れる。中学年以上は、さらにいろいろな体勢からのバランスや相手からのプレッシャーの中でのバランスが取れるように。
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[少年サッカー]コーチの心得-その9 「練習にあたっての基礎知識」 トラップ練習。 |
ボールを自分の思った所にコントロールする、全ての技術の中で最も基本となる技術。
ての年代で徹底的に練習するべき技術である。(私達のチームの子供はこれが非常に下手である!)
立ったままでの練習だけでは意味をなさない。動きながら、相手のプレッシャーの中で、自分の左右の足元に正確にコントロール出来るまで、徹底的に練習する必要がある。
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[少年サッカー]コーチの心得-その10 「練習にあたっての基礎知識」 ドリブル練習。 |
ボールキープ、コントロール、突破のための必須技術。学年から重点的に行う。
足元だけを見ないように注意すること。
顔をあげた状態でドリブル出来ることが理想。
体からボールを離さない。柔らかいボールタッチ。緩急をつける。
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[少年サッカー]コーチの心得-その11 「練習にあたっての基礎知識」 ルックアップ練習。 |
トラップ、ドリブル、キック、シュート、フリーランニングのすべてにおいて意識すべき課題。
これが出来ないと状況判断ができない(=パスが出来ない)。
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[少年サッカー]コーチの心得-その12 「練習にあたっての基礎知識」 1対1。 |
ボールキープ、突破のための最も基本的な練習。
低学年から徹底してやる必要がある。
1対1で勝負できない子供がボールを保持しても、相手は何も怖くない。
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