少女Team 1998年全国大会準優勝
1998年8月8日・9日 ヘッドコーチ:中村 |
第3回全日本少女ジュニア選手権大会で、コーチ、育成会の皆様の暖かいご支援、ご声援に勇気づけられまして、思い切り芝の上でサッカーを楽しんでこれました。 いろいろと本当に有り難うございました。 ● 8月7日(集合日) 朝8:00に宮崎台駅に集合し、8:30に5台の乗用車に分乗し、福島向けて出発した。 選手みんな顔色はよく、またコーチの二日酔いも無く順調な滑り出しであった。首都高速で多少渋滞したが、途中で昼食を済ませ、予定通り14:30に目的地「Jヴィレッジ」に到着した。 到着とほぼ同時に、小雨模様となったが、部屋で着替えて人工芝のフットサルコートでの練習を始めた。みんな気持ちよさそうにアップをはじめ、軽い練習の後、兵庫県の三木選抜チームと人工芝フルコートでテストマッチ(10分×2本)を行った。「自分の個人技がどこまで通用するか、試してみる。リラックスして楽しくゲームをすること」の2つのテーマで臨んだ。 あいにくの雨の中であったが、みんなの動きが予想以上に良く、ドリブル突破を中心によく攻め、しっかりボールをキープし、落ち着いてディフェンスも出来ていた。交代予定選手もすべて出場したが調子は上々、結果は前後半の10分で1点ずつゴールを決め2−0、とてもいいムードでテストマッチを終えた。 最後に、全員でセットプレーの練習を行った際も笑顔で、笑い声まで聞こえ、選手に変な緊張は見えず、コンディション調整もうまくいったことに安心した。 夜のミーティングでは、今大会のテーマ、今まで練習してきたことを精一杯楽しくプレーをすることと夏休みの楽しい思い出を作ることを話し、夜10:00の就寝時間を子供達と約束して、ミーティングを終えた。(目的意識をもった子供達は、関東大会と同様に2日間とも約束を守ってくれた。) |
● 8月8日(グループリーグ) ☆1試合目(2−0 相手:マザーズ熊本) 今大会の共通テーマ、【自分の得意なプレーを思い切り出す、強いパスと早いボールへの寄りと全員プレー(カバー・フォロー)】を指示して送り出したゲームは、開始わずか10秒でパス2本をつないで瑠美が先制のシュートが決め、10分後には、久富が相手DFを巧みに交わした追加点で、いつもと違い珍しく緊張気味で動きの硬かった選手達もリラックスして、いつものペースとなる。 宇嶋、宮内、蒲生がサイドからオーバラップやフォローの動き、瑠美−恵美、久富−宇嶋のワンツーパス、DF間での余裕のパス交換も見られ、テーマのお互いのカバーリングなど点差以上に安定した内容であった。 後半は、相手チームの立ち直りとこちらのシュートミスなど詰めの甘さで追加得点こそ取れなかったが、交代した選手達も動きが良く、ゲーム内容は後半になっても変わらず良かった。勝因は、立ち上がりの集中力と寄りの早さであった。 ☆2試合目(3−0 相手:下関選抜) 立ち上がりから、流れ(チャンス)があっちへ行ったり、こっちへ来たりで五分の展開、DFに得点するまで我慢しろと声をかけて進んだ前半終了直前、恵美からのスルーパスをうまく受けた瑠美のゴール、これが非常に大きかった。 展開が硬直したゲームでは、この時間の得点はチームにとって2点いや3点ぐらいの価値がある。後半、久富と瑠美の追加点で3−0とリードすると第1試合同様伸び伸びとしたウィングスのつなぐサッカーが出来た。 特に、いつも通りの後藤の落ち着いたプレー、橋本、蒲生の練習した相手攻撃を遅らせる守り、陽子の速い出足からのチェック、下山田の好セーブなど最後まで集中が切れなかった頼もしいDFが最大の勝因。(グループリーグ無失点はウィングスだけ) ● 8月9日(準決勝・決勝) ☆準決勝(2−0 相手:静岡選抜) かなり手強そうな昨年の優勝チームでタフな展開が予想されたため、あまり相手を意識させず、疲れたら、頑張って自分のポジションへ戻って来てから休むように指示した。 前半から、強力なチームに正面からぶつかっていく展開となったが、攻撃も守備も相手に劣らないプレーと気持ちが現れていた。 特に攻撃では、恐れずDFを押し上げて前で相手をチェックする作戦がうまくいって、縦パスを一旦中央に集めてボールを散らす相手のペースにさせなかった。 こちらも、石川、恵美の中盤で相手ボール奪ってからの早い攻撃もうまい相手DFにより、止められて、なかなかペナルティエリアへ入れず、互角のままハーフタイム。帰ってきた子供達の目は、まだまだやれると輝いていた。 勝ちたいと思う気持ちが強い方が勝つ。もっとしつこいチェック、積極的に遠くからでもシュートを撃つように、とにかく積極性で負けないことを強調して子供達を後半に送り出した。 後半は、少しずつウィングスの押し気味の流れに変わっていき、コーナキックのチャンスでゴール前の混戦から恵美の押し込んだシュートが、決まったときは選手もベンチもガッツポーズ。その後は、「守るな、攻めて攻めてもう1点」、これだけをベンチからは指示した。 ポイントの左サイドFWを何回も橋本が押さえ、中は石川、陽子できっちりマークしたDFとGK千紘のナイスセーブで最後まで相手にDFは崩されず、逆にセットプレーから、恵美がこぼれ球を2点目のゲットした時点で勝てるかもと思えるようになった。 予想はしていたけど想像以上にタフで厳しいゲームに終了のホイッスルが鳴った時は、この勢いで今度は、優勝できるかもと思った。それぐらいいいゲーム、強いチームになった。 ★ 決勝(0−2 相手:大阪選抜) 無欲で自分たちの力を信じてプレーすること、相手のポイントゲッターのマークに注意すること、決勝だからといって、細かい特別な指示はしなかった。 決勝トーナメントまでくると相手はすべて選抜チームで、どこのチームも体格もよくあたりが強いだけでなくうまいのだがウィングスは、いつもの粘り強いみんなでつなぐサッカーで準決勝と同様、少し押し気味で一進一退の攻防が続けていたが、今一歩得点につながらない。 MFで目に見えて足が止まった選手が目立ち始め、DFも芝に足を取られる場面が見えだした直後、カウンターから最も注意していた相手長身FWに、サイドネットへ男子並みのシュートを決められた。それでも気落ちせず攻め返すのだが、こちらのシュートはなかなか相手のゴールを破るには至らなかった。 ハーフタイムでは、相手は延長戦の末、決勝に進出している、後半は必ず相手のスタミナが切れる。そこがチャンス、あきらめないでボールをつなぐいつものウィングスサッカーを続けよう。絶対に追いつくチャンスがある、大丈夫あせるな。と強気で後半に臨んだ。 後半も押し気味の展開で、頑張るのだが放つシュートも少し弱くなったような気もした。途中交代の小沢のシュートもGKの正面に、石川と陽子のミドルシュートも相手DFの体で止められた。 逆に攻め中心になっていたDFのスキを突かれ、同じ相手FWにまたもカウンターで追加点を許してしまった。(DF陣は、相手のスピードを止めるだけの体力が残っていなかったように見えた。) 最後までテクニックでは上回っていたし、互角の展開でゲームはできたが、決定力の違いとやはり4〜6年生構成ではしかたがない相手チームとの体力差で優勝を逃してしまった。 |
(総評) 2年前のこの子達を見ている人は、こんな場所でこんなプレーをするとは、誰もが驚くでしょう。壮行会で約束したとおり、優勝を目指して精一杯プレーしてくれた子供達全員に感謝します。 19人の心をひとつにして参加したこの大会で、みんなでタオルや水の準備をして、声を合わせて応援してくれた出場できなかった選手達に感動し、また、このチームの本当の良さ、ここまで来た強さを感じました。 泣いている子供達に胸を張って帰ろうと言うのが精一杯でした。 みんなで子供達全員にご苦労さんと声をかけて下さい。お願いします。 |